地域社会、近隣社会のこと)をコミュニティセンターづくりのテーマとする「最終答申」を市に提出した。
私たちが「最終答申」をまとめる際に一番苦労した点は、コミ・センに何を求めるのか、市や県が整備する公共施設の計画との整合性をどう図ればよいのかであり、一時的でない将来に悔いを残さないコミ・センづくりであった。
建設と運営の協議
市ではこの答申書を受け、平成6年5月設計業務委託を発注した。市では私たちの熱意に応えてくれたのか、一流の設計業者を当ててくれた。こうして設計協議に入り、市との紆余曲折を経て平成6年10月基本設計、平成7年3月実施設計がまとめられた。
「将来の人口構成はどうなるのだろう」「お年寄りのために専用スペースは必要だろうか」「子どものための空間は?」「全館禁煙が、喫煙所を設けるか」議論が重ねられた。「自動販売機を置くか」「浴場スペースは」「キャンプ場は」「囲炉裏を」様々な案が飛び交った。家具ひとつ決めるにも3度も議論。時にはけんか腰になることもあった。
意見が分かれても、決して多数決では決めなかった。辛抱強く合意形成を図った。市と契約した設計士からこんな話を後で聞いた。「設計図を何度も書き替えることになったが、皆さんが大変な熱意なのでこちらも真剣勝負だった。住民とあんなにやり合ったのは初めてです。」
協議は、都心に通う30代から40代のサラリーマンが中心のため、活動は土、日曜日となった。「会社の会議の方がずっと楽」と苦笑することもあった。しかしながら、徹底的に話し合うことでお互い理解しあえた。地域に職場以外の仲間ができた。また、主婦の立場からも「同世代の男性と議論するなんて、学生時代以来です」との声を聞いた。同じ目標に一生懸命取り組むことで仲間づくりにも役だった。
コミュニティセンターをつくる過程がコミュニティを醸成する過程だった。
地域社会形成に向かって
こうしてコミュニティセンターは建設された。協議会は運営協議会へと名前を変え、市から管理運営委託費を受け運営を始めている。当面コミ・センを使った主催事業を中心に活動しコミュニティの醸成に努めていくが、私たちとすれば、防災の問題や地域福祉の在り方など地域社会全般の諸問題までも一歩一歩前進していける組織の確立や話合いの場の設定など、地域形成に少しでも役立つ活動ができればと望んでいる。
当市の運営協議会の特徴は、この地域社会の形成のため、「評議会」制度をもっていることだ。評議会は、自治会長、PTA会長、防犯支部長、交通支部長、民生・児童委員の地域代表、青少年相談員の地域代表、サークル懇話会代表等によって構成され、会の運営に必要な意見交換を行う。
地域社会形成に向かって、これからが本当に私たちのありようが問われてくるものと思われる。協議会の活動はまだまだ続いていく。
3. むすび
多くの人たちの努力の結果が、同時期に2つのコミュニティセンターを完成させた。
2つのコミ・センの運営は順調に滑り出した。しかしながら、今後様々な問題が待ち受けているだろう。運営協議会が地域の中でしっかりと根づき、住民の理解と参加をいただきながら「住みよい地域社会」をつくっていけたらと念ずる。
コミュニティの花をいっぱいに咲かせるよう地域全体で取り組んでいきたいものである。
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